トランプ大統領就任後の米国株式市場の展望

コラム

From:編集部 小早川

2025年1月20日、アメリカ大統領にトランプ氏が就任をしました。

4年ぶりの復帰で大きな話題を読んでいますが、トランプ氏が大統領に就任することで、株価はどのような動きをするのか注目されている方も多いでしょう。

そこで今回はトランプ大統領就任後の米国株式市場の展望について解説をします。わかりやすく説明をしますので、参考にしてください

トランプ大統領の演説により株価は上昇!

2024年末から2025年初頭にかけて、米国株式市場は調整局面を迎えていました。

特にS&P500指数は、長期金利の上昇懸念から下落基調となっていましたが、トランプ氏の大統領就任演説を契機に大きく反発しました。

この反発は、「アメリカの黄金時代が始まる」という力強いメッセージと、具体的な政策への期待感が市場を後押ししたものと考えられます。

出典:GoogleFinance

トランプ政権の政策方針は、「アメリカ第一主義」を基軸に据えています。特に注目されるのは、エネルギー政策の大幅な見直しです。

化石燃料の生産拡大促進や天然ガス開発の規制緩和を通じて、エネルギーコストの低減を目指しています。これは、現在の高インフレに苦しむ米国経済にとって、重要な課題解決策として期待されています。

また、テクノロジー分野への投資も重要な政策として打ち出されています。就任直後に発表された5000億ドル規模のAI投資プログラム「スターゲート」は、データセンターの整備を中心とした大規模なインフラ投資計画です。

この計画には、イーロンマスク氏やソフトバンクの孫正義氏など、テクノロジー業界の重鎮たちも参画を表明しており、官民一体となった成長戦略として注目を集めています。

さらに、行政効率化と規制緩和も重要な政策の柱となっています。政府効率化庁(DOG)の設立を通じて、年間5000億ドルの歳出削減を目指すとともに、企業活動を制限する規制の緩和を進める方針です。

これは、米国企業のアニマルスピリット(企業家精神)を引き出し、経済成長を促進することを目的としています。

企業業績への影響としては、特にマグニフィセント7と呼ばれる大手テクノロジー企業への好影響が期待されています。特にAI関連企業の売上高は大幅な成長が予想されており、NVIDIAに代表されるGPU製造企業や、テスラのような次世代モビリティ企業の業績拡大が見込まれています。

トランプ大統領のリスクとは

一方で、市場参加者が警戒すべきリスク要因も存在します。

最も重要なのは、対中関税の引き上げによる貿易摩擦の懸念です。

トランプ氏は60%という高率の関税を示唆しており、これが実現した場合、中国からの報復措置も予想され、グローバルな貿易環境に大きな影響を与える可能性があります。

また、トランプ氏特有の予測困難な発言や政策転換による市場の混乱も懸念されます。

前回の政権時には、突然の政策発表やSNSでの発言により、株価が大きく変動する場面が度々見られました。

加えて、インフレ圧力による金利上昇リスクも無視できません。

財政支出の拡大や関税引き上げによるコスト増加は、インフレ率を押し上げる要因となり得ます。

2025年の株価の見通しは?

2025年の株価見通しについては、過去の統計が参考になります。

大統領就任1年目の株価パフォーマンスは、過去20年平均で20.5%の上昇を記録しています。

特に、年後半に予定される減税案の成立に向けて、市場は期待を織り込む展開となる可能性が高いと考えられます。

投資戦略としては、株価変動リスクを考慮した慎重なアプローチが良いでしょう。

過去10年のS&P500のドローダウン(高値からの下落率)を分析すると、年間平均で4.9%の下落を経験しています。

また、10%以上の調整(コレクション)は3〜4年に1回、20%以上の下落(ベアマーケット)も一定の頻度で発生しています。

このような市場変動を踏まえると、定期定額投資(ドルコスト平均法)による長期投資が有効な戦略となります。

実際に、S&P500に1995年から毎月5万円を投資した場合、累計投資額1800万円に対して、2024年末時点で1億1000万円を超える運用結果となっています。

これは、年率換算で12.4%のリターンに相当し、米国株式市場の長期的な成長力を示す好例といえます。

特に、2024年からスタートした新NISA制度を活用する投資家にとっては、この長期的な視点が重要です。

短期的な株価変動に一喜一憂することなく、継続的な積立投資を行うことで、市場の上昇トレンドを効果的に捉えることができます。

最後に、投資家は「Time in the market is more important than timing the market(市場でのタイミング取りより、市場に投資し続けることが重要)」という米国の投資格言を心に留めておく必要があります。

政治的なイベントや短期的な市場変動に過度に反応することなく、長期的な資産形成を目指すことが、成功への近道となるでしょう。​​​​​​​​​​​​​​​​

まとめ

今回はトランプ大統領就任後の米国株式市場の展望について解説をしました。

トランプ氏は基本的に株価に有利に働くような政策を打ってくるはずなので、2025年の米国株価は明るいはずです。ぜひ今回の記事を参考にしていただき、投資戦略を練っていただければ幸いです。