テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
2週続けての連休で、本日月曜も市場はお休み。米国株は今日からスタートですね。
9月冒頭から「今月は今年再注目の1ヶ月になる」とお伝えしてきましたが、いよいよ歴史が動きました。
先週は4年半ぶりに米国の利下げがあり、日本は先月に電撃的な利上げから株が暴落しましたが、今回の日銀会合では金利据え置きとなりました。
これによって日本株は反発。こちらは直近1ヶ月の日経平均ですが、やや上に抜けてきています。
まだ本格的な上昇トレンドではないため、私は日本株に関してはまだ本腰入れたポジションを持っておらずです。その反面、米国株は綺麗な上昇の波に乗れていて、含み益マシマシです。いい波乗っていきましょうね。
さて、今日の本題は、今週末に控える総裁選挙です。日本株は間違いなくこの結果を意識しながら動くので、今週の相場を考察していきましょう。
前回の2ndラウンドのコラムはこちらです。
→ 自民党総裁選2ndラウンド。投資家目線で見る理想と現実。
27日金曜日、歴史が動くぞ。
明日からの相場を考える上で、最も重要になるのが27日金曜の総裁選挙。現在9名の候補者がいる中で、ここまでの流れを見てみると、やはり3名に絞られる展開になってきました。それが、
・小泉さん
・石破さん
・高市さん
ですね。他との差は大きくて、この中から次の総裁が決まることはほぼ確実でしょう。
総裁選挙のルールとして、そもそも過半数の票を取れば勝ちなのですが、今回はかなり接戦になっているようで、おそらくこの3名の中から2名が残り、決選投票となって決着がつくと思われます。
当初は小泉さんがリードする展開でした。彼はイメージもいいですし、若い。ここ最近の自民党の裏金問題や統一教会の問題などのネガティブな雰囲気が変わりそうな期待感もありました。
出典:産経新聞
しかし、その後の討論会ではあまりいい印象が残せず、支持率を落としています。イメージ先行型なので、話したらボロが出ることは懸念されていましたが、少し準備不足だった感が否めません。
また、悲願の総理に向かって突き進む石破さんは、変わらず党員票に強みもあり、メディア受けもいいので、おそらく今回は決選投票に進むと思われます。
出典:日テレニュース
また、高市さんも事前の予想通り、会見を見ても政策通であることがはっきりとわかり、少しずつ支持率を高めている状態です。
現時点でのザクっとの感覚としては、
1位:石破さん
2位:高市さん
3位:小泉さん
こんな感じで並んでいて、ちょうど最終コーナーを抜けて、最後の直線に入ろうとしているのが今の現状ですね。
キーマンは自民党のドン、麻生さん
こうなってくると、より注目が集まるのは麻生さんです。
こんな記事も出てきましたが、ずっと静観していた自民党最大のドン、麻生さんが動きそうです。
出典:Yahooニュース
前回のコラムでも書いたように、自民党はさまざまな派閥がありますが、二大勢力と言えば副総裁の麻生さん、そして前総理大臣の菅さんです。今回の総裁選挙はそれぞれの勢力争い、いわば代理戦争とも言えるでしょう。
最大派閥のドンである麻生さん、そして菅さん、それぞれどちらが権力を握るかの戦いがバチバチに繰り広げられているのです。
先ほど書いたように、石破、小泉、高市の3人決戦になっていますが、ここに麻生さんの”推し”はいません。
1位:石破さん(菅さんチーム)
2位:高市さん(???)
3位:小泉さん(菅さんチーム)
現状このようになっており、麻生さん的には石破さんと小泉さんが政権を握るのは避けたい思惑があります。もともと推してたのは河野太郎さんでしたが、今回かなり難しいでしょう。
よって、高市さん残るように裏で工作が始まったと見ています。それがさっきの麻生さん動く、のニュースですね。
ここまできたら人間的な好き・嫌いは置いて、ガチの権力闘争が起こるでしょう。”なんでもあり”の政治の世界、今週で結果が二転三転することも十分に考えられます。
3人の候補を比較してみた
それぞれの比較を簡単にまとめてみました。
石破さん | 小泉さん | 高市さん | |
年齢 | 67 | 43 | 63 |
当選回数 | 12 | 5 | 9 |
地盤 | 鳥取 | 神奈川 | 奈良 |
政治思想 | リベラル(左) | リベラル(左) | 保守(右) |
特徴 | 国民からの支持高め 議員に仲間が少ない | 国民的な人気⚪︎ 中身がなく実力不足が否めない | 経済成長がセンターピン 安倍さんの意思を受け継ぐ |
原発 | 慎重 | 脱原発 | 推進 |
金融政策 | 金融引き締め | 慎重 | 積極財政 |
新しさ | × | ◎ | ⚪︎ |
外交 | ▲ | ▲ | ▲ |
安全保障 | ⚪︎ | ▲ | ◎ |
株式市場 | ▲ | ⚪︎ | ◎ |
注目セクター | 防衛、再生可能エネルギー、地方再生など | 再生可能エネルギー、リサイクル、電気自動車など | 防衛、IT、セキュリティ、AI、インフラなど |
それぞれの特徴がざっとわかるかと思います。
繰り返しますが、投資家目線で見た時に期待できるのは高市さんです。反対に期待できないのは石破さんですね。
もし石破さんが総理になったら、株式マーケットはネガティブになりそうです。これまでの自民党と同じで、おじさんたちがおじさんたちの政治をしてる感が再開するし、何より増税や利上げなどが考えられるので、正直言って株が上がるイメージがあまり持てないです。
もし小泉さんが総理になったら、ひとまずは期待感から買われそうなイメージはあります。新しさ、若さ、そして小泉さん自身も米国のシンクタンクで研究していた経歴から”新米”と思われていますし、当然それを海外投資かもわかっていますから、マーケットはポジティブに見ると思います。
彼がトランプや習近平、プーチンとバチバチに論戦できないことは誰もがわかっていることですし、政策などもあまりわかっていないと思うので、ボスである前総理の菅さんを筆頭に、優秀なチームが引っ張っていくでしょう。
ただ総理としてのメッセージを出したり、論戦となった時にボロが出て支持率がどんどん下がっていく流れも想定されます。就任当時が支持率の天井となって”寄り天”にならないことを願います。
もし高市さんが総理になったら、マーケットはポジティブに反応するはずです。もともと主張しているのが日本経済の復活ですから、大胆な金融緩和、積極財政を打ち出して、それが好感されて強気相場になると思います。
ただ、もちろんネガティブ材料もあって、基本的にはアベノミクスを踏襲していきますから、円安・インフレになることは考えられます。
私は個人的には、高市総理になって、今回新たに出てきた通称コバホークこと小林さんも閣僚に選ばれて、ガラッと顔ぶれが変わって政界に新しい風が吹いてほしいところです。
何はともあれ、決戦は27日金曜日。
長く続いた岸田政権が終わり、新しい総理が誕生します。
おそらく石破さん、高市さんのどちらかで決まりそうですが、真っ向から政策が違う中で、どちらが総理になるかで向こう数年間の日本の行く末が決まります。
決戦の金曜日となる27日を迎えるにあたって、私たちトレーダーもこの曲を聴いて一致団結しようではありませんか。