From:編集部 小早川
「トランプラリー」とは、2016年の米国大統領選挙でトランプ氏が当選した後に米国株式・米国金利・米ドルの急上昇のことです。
減税や積極的な財政支出への期待から、米国の株式や長期金利が上昇し、外国為替市場ではドル高になりました。
株式市場では、NYダウが45%、S&P500が34%上昇し、この米国株高を受けて日本を含む世界の株式市場も上昇しました。
2024年の大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで、今回もトランプラリーが起こるのか注目している方も多いのではないでしょうか?
この記事では、トランプラリーが起きた場合に特に恩恵を受けるであろう銘柄について紹介をします。
トランプラリーの恩恵を受けやすい米国株について
トランプラリーの恩恵を受けやすいセクターについて紹介をします。
今後の株式投資の参考にしていただければ幸いです。
エネルギー関連株
トランプ氏は石油・天然ガスへの投資拡大や掘削活動の促進を示しており、エクソンモービル(XOM)などの石油生産会社の株式が上昇しやすいと見られています。
規制緩和や、新規開発の許可プロセス簡素化などが期待されており、エネルギー関連企業の拡大につながる可能性があるでしょう。
エネルギー関連株の代表銘柄であるエクソンモービルの年初来の騰落率を載せておきました。
自動車産業
トランプ氏は電気自動車(EV)普及を批判していますが、電気自動車の大手テスラのイーロンマスクCEOは今回の大統領選挙でトランプ氏に巨額の献金をしています。
このことで今後のEV市場における規制環境に影響を与える可能性があり、テスラを始めとする電気自動車に恩恵を与えるのではないかとの見方が強まっています。
テスラの年初来の株価は以下の通りです。
医療・製薬株
共和党が政権を握ったことで、薬価抑制政策が見送られる可能性が高まりました。
その場合、イーライリリー(LLY)やメルク(MRK)などの製薬会社、ユナイテッドヘルス(UNH) )などの医療保険会社が規制緩和の恩恵を受けると予想されます。
特に、製薬会社にとっては薬価の自由な設定が可能になることで、研究費の回収がしやすくなり、新薬開発への積極的な投資が期待できます。
保険料設定の自由度が解消され、収益性の改善が見られます。
イーライリリーの年初来の株価は以下の通りです。
銀行株
トランプ前政権では金融規制が緩和され、JPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)などの銀行株が上昇しました。
規制緩和により、銀行の自己資本規制が緩和され、より積極的な融資活動や投資活動が可能になると期待されています。
ただし、M&A関連銘柄については共和党副大統領候補としてバンス上院議員が副大統領になった場合、先行きは暗いかもしれません。
なぜならM&Aの規制強化や減税策廃止に意欲的だからです。
JPモルガン・チェースの年初来の株価は以下の通りです。
暗号資産関連株
トランプ氏は仮想通貨への支持を表明し、規制撤廃を公約にしています。
この方針を受けて、コインベース・グローバル(COIN)やマラソン・デジタル・ホールディングス(MARA)などの暗号資産関連株は大きく上昇しそうです。
注目すべき動きとして、トランプ氏は2024年7月27日開催の「ビットコイン2024」カンファレンスへの登壇をしました。
これは、仮想通貨市場に対する積極的な支持姿勢を示すものとして、市場参加者から注目されました。
コインベース・グローバルの年初来の株価は以下の通りです。
トランプラリーで期待できる日本株について
トランプラリーは日本株にも大きな影響を与えそうです。特に上昇が期待できる銘柄について紹介しますので、今後の株式投資の参考にしてください。
銀行株
トランプラリーの恩恵を最も受けやすいのは銀行株といえるでしょう。
トランプ氏はドル安の政策を取る可能性が高く、日本の金利上昇を強く求める可能性があります。
金利が上昇すれば、預金量の多いメガバンクを中心に、銀行の業績は良くなるため、今後銀行株がさらに上昇する可能性は高いです。
三菱UFJフィナンシャルグループの中核企業である三菱UFJ銀行は、3大メガバンクの1つで最も規模の大きい会社です。
ちなみに3大メガバンクとは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のことを指します。
3大メガバンク体制になってから、三井住友銀行とみずほ銀行の業績順位は変わることがありますが、三菱UFJ銀行は不動の1位です。
今後の業績が良くなる理由は主に2つあります。
- 金利の上昇が期待できる
- DX化によって人件費の削減が期待できる
現在、アメリカの金利は高いですが、日本の金利も徐々に上がってきています。
最もわかりやすいのが、個人向け国債の金利が毎月のように上がっていることでしょう。
金利が上昇すると、住宅ローンや企業への貸金の金利を上げることができますので、銀行の業績にとってはフォローになります。
また、最近は、DX化によって人件費の削減を三菱UFJ銀行を始め多くの金融機関は行っているのを皆さんご存知でしょうか。
支店数を減らし人件費を減らすことに力を入れていますので、従業員の方にとっては大変ですが業績面で見るとプラスになるでしょう。
このように今後三菱UFJフィナンシャルグループの業績は上昇する可能性が高いので今のうちに投資しておくのが良いかもしれません。
メガバンクトップの三菱UFJ銀行の年初来の株価は以下の通りです。
防衛関連銘柄
防衛関連銘柄は日本の総理大臣である石破氏で期待できる銘柄でもあります。防災銘柄で特に期待できるのが三菱重工です。
艦艇、戦車、地対空誘導弾システムなどをはじめ、産業制御システム向けサイバーセキュリティ対策も手掛けています。
防衛装備庁による2022年度契約金額の発表では、2位の川崎重工と2倍以上の差を付け、3652億円とダントツのトップとなっており、リーディングカンパニーの名にふさわしい、優秀な実績を残しています。
しかも単年だけではなく過去5年間、業界トップを走り続けているので安定した収益を出しているのは間違いありません。
他にも核融合、データセンター、宇宙といった多岐に渡る事業を手がけていることから、様々な場面で期待が集まりやすいです。
さらに近年では、電磁力を使った砲弾を射出する兵器である「レールガン」の開発が進んでいるのですが
これは、軍事力のパワーバランスが変わるかもしれないということで、世界中から注目が集まっています。
もし実用化できれば、近隣アジア諸国に対する強い抑止力にもなりますし、軍事力のアピールにも繋がるので、開発が成功すれば、さらに株高が期待できるでしょうね。
三菱重工の年初来の株価は以下の通りです。