【4/14相場まとめ】日本株は反発!米国関税リスクに一服感。半導体や電機株など上昇。

コラム

テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

4月3週目の相場がスタートしました。4月14日の日本株市場は大きく反発。

先週末の米国株も上昇して終わっており、日本株は3週続落でしたが米国株は2023年以来の週間パフォーマンスとなりました。

引き続き関税に警戒ですが、ひとまずいい流れでスタートしました。さっそく今日の相場をアップデートしましょう。

今日のマーケット:日経平均は大幅反発も、関税問題は引き続き警戒

今週の相場が始まりましたが、日本市場が反発した背景にあったのは、米国トランプ政権がスマートフォンや半導体関連などの電子機器を一部関税対象から除外する方針を示したことです。

このニュースを受け、東京市場では半導体関連・電機株が大幅高となりました。先週の米国株も半導体に買い戻しが入り、国内の半導体も期待されていましたが、主力企業は重かったです。

日経平均は前週比420円高で寄り付き、34,000円台に回復しましたが、トランプ大統領の言動に振り回されており、上値は限定的でしたね。

先週末の段階では、中国側は報復関税打ち止めとなり、米国側も中国との話し合いを進める流れになっていたので、マーケットは好感していました。

日経平均は一時700円以上も上昇する局面もありましたが、そのあとは伸び悩みました。

医薬品株や素材株など景気敏感セクターにも買いが広がり、今日は海運、空運、輸送用機器、サービスの4業種が下落したものの、その他のセクターは上昇となりました。プライム市場の約8割の企業が値上がりましたが、それ以上に重かった印象もあります。

終値としては、日経平均は+1.18%の33,982円でした。TOPIXは+0.88%の2,488円でした。グロース250は+0.40%の633円でした。

3指数とも上昇しているものの、売買高は減少しており、今日は3兆円台(3兆8791億円)となりました。4兆円を下回ったのは3月25日以来です。

為替は円高に振れてドル円は142円台へ。債券市場もリスク回避。

一方で為替市場は引き続きリスク回避ムードが継続。ドル円は142円まで円高進行です。

これは昨年9月以来の高値圏となり、ドル売りと円買いが進んでおり、円高トレンドが進んでいます。

背景には米中関税交渉の先行き不透明感や、米国経済の鈍化、また、日本政府が為替協議に応じる姿勢も意識されています。

日本の10年債も1.3%で推移しており、依然として高い水準にあり、さらに30年債も前週末から一気に上昇して2004年以来の高水準を更新しました。

政府による財政拡張への警戒感から売りが加速しています。30年債などの超長期債は流動性が低いため、売りが出ると傾きやすく、利回りが大きく上がっていきやすいです。

20年債も2.44%まで上昇、こちらは2004年以来の高値まで到達です。金利が上がっていく局面は警戒感が出るため、米国も同様に日本の金利動向も注意です。

日銀・植田総裁の発言

また、今日は日銀・植田総裁が米国の追加関税政策による影響についてコメントしました。

要点をまとめると、この関税は日本・海外経済への下押し圧力となり得ること、そして物価への影響は上下双方向に様々な可能性がある と指摘しました。

今後の方針も大きくは変わらずですが、2%の物価安定目標の実現に向けて運営していくとのことで、すでにこの目標は達成していることから、どこか利上げの雰囲気も感じられますが、利上げ観測は一旦後退しています。

これまで日本銀行は「賃上げと物価上昇を背景に利上げ継続」という方針でした。どちらも思惑通りにきているのですが、今回の米関税発動と金融市場の混乱を受けて、利上げ観測は後退しています。

引き続き米国の追加関税の具体的な影響、そして日本国内の賃金・物価動向、FRBの金融政策 を注視する流れになりそうです。

向川の視点:今後の注目は決算へ

今日の相場もお疲れさまでした。

私は朝から銀行まわりをしていて、相場を見たのは午後からでしたが、日経平均は最後34,000円をのせれずに引けましたね。

関税はトランプの気分次第で変わるため、引き続きトランプ劇場は続きますが、今週から少しずつ決算が本格化です。

今週は日本市場では高島屋、マネーフォワード、ディスコなどは見ておきたいところ。そして米国はバンク・オブ・アメリカ、ネットフリックス、アメックス、そして半導体のTSMCとASMLなど出てきます。

特に米国はこれからの経済不安からマーケットがネガティブに反応しているため、空気をガラッと変えるためにも良い決算が続くことを期待したいです。日本も同じくですね。

関税ショックから1週間経過して、少し落ち着きつつありますが、需給的にはかなり売られた後なので、底値は堅そうです。引き続き安全運転で、いい波乗っていきましょう!