
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
今週の相場は日米ともに上昇してスタートですね。前日のリスクオフムードから一転し、株価は反発。しかし、その裏ではまだ不透明感がくすぶっています。
今日は直近の市場状況と今後の注目ポイントを整理しましょう。
米国市場は一時的に安心感に
昨日の米国株は続伸しています。S&P500+0.79%、ナスダック+0.64%。
トランプ大統領の自動車に対する一時的な関税免除を検討との報道があり、相場は寄り付きから上昇しました。
ゴールドマン・サックスも好決算となり、金融株の決算もいい形でスタート。ウォラーFRB理事も「景気後退が懸念されたら大幅な利下げ支持」 「関税によるインフレは一時的」との報道も相場をポジティブにしました。
特に中国やベトナムで製造しているAppleは、関税の懸念から売られていましたが、昨日は大きく反発しました。
米10年債利回りも低下して4.3%台になり、市場は一時的に落ち着きを取り戻しました。ただ、問題はインフレと利下げ観測です。
今のところそこまで不安視していないですが、強い経済からインフレが再燃すればあまりよろしくないので、今週出てくる小売売上高などの重要指標は注目です。
日本市場は関税緩和期待で続伸
米国株の上昇をうけて、日本株も続伸となりました。
今日も買い優勢で始まり、寄付きで前日の高値を超えていくと、一時は3万4450円まで上昇。買い一巡後はちょっと重くなり、米国関税が重荷になりました。
今日の終値は34,267円(+0.84%)となり、TOPIXは+1%の2,513、グロース250は+1.10%の640で引けました。
特にトヨタやデンソーなど自動車株が買われましたし、防衛株も強い動きでしたね。
トランプ政権は半導体や医薬品の輸入品に対する関税賦課計画を進めるための調査を開始しており、貿易戦争のさらなる拡大への懸念も残っています。
なので、正直あまり勢いはなく、トランプ関税で売り過ぎた分を取り戻す動きで上昇しており、売買代金は3兆5147億円と連日で4兆円を割っています。
日本株は米国との交渉次第で振り回されるリスクがあり、もう少しこの不透明な展開は続きそうです。
今後の注目イベント
4月後半に米企業決算シーズン本格化します。半導体・金融・IT大手の業績に注目。そして4月末に日米金融政策の方向性が見えてくるのと、ここではインフレ指標とFRBからのメッセージに注目です。
為替は大きく動かず。中長期債が下落、超長期債は買われる。
債券市場では、株価の上昇によるリスク回避にブレーキがかかり、中長期債が売られました。日本の10年債利回りは1.35%へ上昇。
円相場は1ドル=143円を前後してもみ合いです。
日本株の上昇でリスク回避の円買い圧力が和らいで、企業の決済が集中する5.10日でドル買いが入り、一時は143円台半ばまで下落したものの、その後、円を買い戻す動きも見られました。
こちらも引き続きトランプ関税に対する不信感があり、自動車関税も実際にどうなるかわからないので、しばらくこう着が続きそうです。
向川の視点
今日の日本市場も続伸でしたが、出来高を減らしながらの上昇で、ちょっと重そうな雰囲気もありますね。
まだ貿易摩擦は長期戦覚悟でいますが、この重い空気を打ち崩すのは決算ですね。
今日はドトールが9期ぶり最高益、テラスカイが2期連続最高益などサプライズ決算になりました。マネーフォワードは赤字縮小で着地、パソナは赤字転落、Jフロントが今期28%減益なども。
今週は米国株決算に注目で、今日はジョンソン&ジョンソン、バンク・オブ・アメリカ、シティの決算が出ますね。
日経平均は4/7の安値が強いサポートになっていますが、上値追いは慎重に。35,000円を超えてくるには材料がほしいところです。
明日もいい波乗っていきましょう!