【選挙は買い?】自民党の厳しい戦いと選挙後の日本株はどうなる?

コラム

テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

いよいよ今週末は選挙ですね。この結果が向こう数年の政治を決めますが、これまでの「選挙は買い」からガラッと変わり、今週もずっと相場は下げ続けています。

日経平均は昨日まで11日連続で陰線となり、昨日は陽線でしたが高値切り下げで、今日もプライム市場の9割近い銘柄が下落する相場になっています。

私は日本株に関しては売りオンリーで、特にトレードすることなく少しずつ含み益を伸ばしていて、今日引け前にどうしようか考えますが、選挙の結果を受けて来週の月曜の相場が全く読めないため、手仕舞うかもしれません。

何せ今は羽田空港で、今月の旅は兵庫県に行こうということで、ラウンジでラテを飲みながらこのコラムを書いています。

今日は選挙についてもう少し掘り下げていきます。よかったら前回のこちらもご覧ください。

【自民党総裁選3rdラウンド】ついに3人決戦へ。歴史が動く総裁選、日本株にどんな影響ある?

選挙の簡単なおさらい

衆院選は自分の住んでいる場所、つまり住民票がある場所で「小選挙区」から立候補する候補の中から1人選びます。そして、次の「比例」では政党の名前を書きます。

小選挙区は全国に289あり、これがいわば”勝者総取り”のゲーム。1位だけが勝利し、2位以下は何もありません。

自民党はもちろん、野党一党の立憲民主党は全国に候補者がいるので、どこに住んでいても自分の小選挙区には必ず自民党の候補がいますし、立民もいると思います。

今回大きく勢いを伸ばしている国民民主党や、数少ない保守政党の参政党、他にも維新などは数の勝負で弱いですが、これは仕方ないです。

基本的に小選挙区の戦いは自民党、またはそれ以外なら超強力な候補者がいないと勝てないわけですね。

それじゃだめだ!と。小さい政党が勝てないじゃないか!ということで、比例代表ができました。こちらは政党の名前で投票するのですが、お住まいの地域に候補者がいなくても比例では好きな党に入れることができます。

なので、小さい政党はどこも「2枚目は@@@」みたいにずっと言ってるわけですね。

自民党の厳しい戦い

過去にあった解散総選挙では株高になっていますし、直近では3年前の岸田総理になった後、ちょうど今の季節でしたが選挙に出て勝利しました。株は上がって、岸田政権が始まりました。

これまでは自民党が圧倒的に強かった。特に第二次安倍政権からはかなり左に寄った政策を打ち出し、本来の自民党支持者(右の岩盤保守)に加えて左のリベラルからも支持を集め、圧倒的な数のパワーで安倍さんは長期政権を作りました。

そもそも自民党は憲法改正こそがやりたいことです。それは自民党のホームページを見ても明らかです。

出典:自民党HP

そもそも今の日本国憲法は、戦争に負けて、米国の占領下にあった約7年ほどの間にできた法律です。

もちろん日本人が作ったと思われていますが、戦争でボコボコに負けて、何十万人が死んで、2回も原爆を落とされて、世界で最も貧しい国となった日本を占領していた米国が隣にいる状態でできた法律です。

いわば、ジャイアンが隣にいる中で、スネ夫がビクビクしながら作ったものです。そして、その法律を1文字も変えることなく今も使っているのが日本です。(同じく敗戦国のイタリアやドイツは何度も法改正してます。韓国も、中国なども)

自民党ができた理由は、いわば米国からの真の独立であり、その一歩が憲法改正で、だから第一次安倍政権では「戦後レジームからの脱却」というスローガンを打ち出しました。(戦後レジーム=第二次世界大戦後に確立された世界秩序の体制や制度のこと)

しかしメディアはもちろん、学校教育もかなり左に寄っており、そんな話をちょっとでも出すと右翼のレッテルを貼られますし、右だけでは厳しいわけです。だから左に寄って幅広くリーチしたのが第二次安倍政権でした。

そして公明党とも組んでさらに左に寄っていくわけですが、石破総理を筆頭に、今の閣僚の人たちはまさに”左の人たち”で、これまでの安倍政権では窓際族だった人たちです。「党内野党」とも呼ばれ、同じ自民党にいながら批判してたのが石破さんであり、現在の閣僚の先生方です。

先日の総裁選で戦った高市さんは、自民党の中で右寄り。石破さんは左寄りで、石破さんが勝ったことで右チームはついていかず、以前から自民党ならびに安倍さんを支持していた岩盤保守層もどんどん離れています。

そもそも、総裁選で最初は高市さんが一位でしたが、決選投票の結果、石破さんになりました。

高市さんは日本ファースト、右の保守層から支持されている政治家ですから、当然、中国は絶対に総理になってほしくなかったはず。

そして公明党は中国に忖度してますから、自民党への選挙協力に影響するかもしれないと。だから石破さんをとった政治家が多く、それが岸田さん、菅さんたちなわけです。

もうちょっと時間を戻すと、昨年話題になったLGBT理解推進法。こちらを反対多数の中、米国の言われた通りに無理やり通した時点で、自民党の岩盤支持者は離れていました。

ニュースを見ると裏金問題によって支持者が離れたと報道されていますが、実際は全く違うと思っています。

どこに投票する?

そもそも選挙は数の戦いなので、過半数を取れたら勝ちです。

しかし、今回の選挙、自民党は単独で過半数を取ることは難しいと言われており、自民党と公明党のコンビでも過半数取れるか?という話まで出ています。

もちろん、自民党だけで過半数を取れたなら石破さんの大勝利でしたが、公明党と組んでも過半数を取れないとなると、これは石破さんの責任問題です。

なので、かなり焦っていると思いますし、緊急指令が出たみたいでSNSでも拡散されていましたが、正直どうなるか全くわかりません。

私はアラフォーで、現役世代ど真ん中ですが、その視点から見ると、正直言って自民党、立憲民主党、公明党は絶対にないなと思っています。共産党も同じく絶対にないです。

理由は、この3つの党は言ってることはほとんど同じで、支持してる人が地方のシニア世代です。いつものように現役世代の負担を増やして地方のおじいちゃんおばあちゃんに配るしかできないし、増税、金融引き締めの流れです。(共産党はそもそも天皇を否定していますし、自衛隊も否定、国家公安から危険組織としてマークされてるくらいなので論外とします)

日本経済が強くなるには、積極財政、規制緩和です。しかし、このデメリットは円安、インフレです。

経済を強くするには多少のインフレを許容しないといけない。これから体をムキムキにしたいのであれば、筋肉痛は避けて通れないのと同じです。痛みから逃げてたら成長はないです。

でも、そんなことは田舎のシニアは関係ないんですよね。もらえる年金は同じですから、インフレになったら困るわけです。だから自民党、公明党、立憲民主党の左チームはアベノミクスを否定するのです。

私がこの3つの政党がないなと思ってる理由は、今の流れが続いたらもっと日本が弱くなるからですが、今回かなり立憲民主党も勢いがあるようです。

でも彼らが政権を取ったら、当然株も下がるし、給料も上がらないし、今よりもっと左に寄った政策が出てきますから、正直言って絶望しかないなと思います。

間違った考え方を変えようともせず、だからこの30年ほど経済が成長せず、一人あたり購買力平価GDPだと台湾にも韓国にも追い抜かれました。

日本人の実質賃金はポーランドやリトアニア以下で、実質時給でもルーマニアにも抜かれて、1995年には世界の17.6%を占めていた日本経済は5分の1に縮小。
https://www.voronoiapp.com/wealth/Visualizing-Wealth-Growth-by-Country–2164

これが「日本が貧しい」と感じる理由ですが、今回の選挙でも何も変わらなければ、今の流れがさらに加速し、今よりも加速的に衰退していくのはほぼ確定です。

株はどうなる?

今日までで日経平均は大きく崩れました。直近5日間の日経平均がこちらですが、

「選挙は買い」のアノマリーも虚しく低空飛行です。

こんな記事もありましたが、もし選挙で自民党が大敗し、立憲民主が勝つ世界線は、週明け月曜がさらなるブラックマンデーになる気もします。

出典:日経新聞

自民党単独で過半数を取ることは難しく、かと言って勢いのある国民民主や維新からチームを組むことを否定され、頼みの綱の公明党と一緒に考えても過半数が取れないかもしれません。

今日明日でもうちょっと具体的なデータも出てくると思うので、またまとめたいと思います。

ちなみに、、、今日引けで手仕舞おうかと思いましたが、持ち越しました。売りで含み益中で、ちょっと利確して来週に臨むことにしました。答え合わせは来週にしましょう。選挙の混乱を抜けて相場は上げていくことを期待していますが、果たしてどうなることやら。