
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
8月18日、日経平均が史上初めて43,800円を突破しました。歴史的な瞬間で、このままいけば日経平均は5万円も超えてさらに伸びていきそうな気配すら感じます。
ニュースでも「バブル以来の高値」「過去最高」といった見出しが目立ちますね。
でも、冷静に周りを見渡してみてください。それに喜んでいるのは投資家だけで、街に出ても「バブルだ!」なんて熱気は感じられません。むしろ物価高で節約ムードが漂っていますよね。
株価と生活感の「乖離」が、今の日本の特徴とも言えるでしょう。
データが示す「暮らしのリアル」
実際に数字を見てみましょう。
厚労省の発表によれば、2025年に入ってからも実質賃金は前年割れが続いています。
名目の給料は少し増えても、物価の上昇分を差し引くと、手元に残る力は減っている。特に食料品や日用品の値上げは生活に直撃し、「去年より厳しい」と感じる家庭が圧倒的多数です。
一方で、企業の利益は過去最高を更新。円安による輸出企業の収益増加や、海外需要の取り込みが好調だからです。つまり「企業の財布は潤っている」が、「個人の財布は痩せ細る」という、そんなギャップが拡大しているのです。
「株価が上がれば日本経済も良くなる」
そう思いたいですが、今の日本は必ずしもそうではありません。株式市場の上昇と、私たちの日常生活がリンクしていないのです。
でも、それは投資家が悪いとか、そうゆうことを言いたいのではありません。そもそも、豊かな人と豊かではない人の違いは、リスクをとっているか、リスクを回避しているかです。
経営者は自らのリスクをとってビジネスの世界で勝負します。サラリーマンはリスクを回避して、確実にもらえる一定のフィーで勝負します。投資家も自らのリスクをとって、ビジネスの世界で勝負する経営者に、大事な資金を投資します。
リスクとリターンは表裏一体で、リスクが小さいとリターンも小さく、大きなリスクには大きなリターンが期待できます。なので、投資家が今の状況で喜んでいるのは当然のことでしょう。
株価が上がる本当の理由
なぜ株はここまで上がっているのでしょうか?
理由はシンプルで、「資金の流れ」と「金融政策」、そして「需給」です。
日銀の金融政策は変わらずで、長らく続いた低金利政策を今も継続しています。最近は少しずつ流れが変わって、今も利上げ観測の記事が出ていますが、基本的な方針は変わらずです。
高騰しているのは株だけでなく不動産も同じで、国内マネーは株式や不動産に流れ込みやすい環境にあります。
さらに海外投資家の買いもずっと継続です。4月から買い越しが続いており、現物だけで見ても2012年のアベノミクス以来の勢いが続いています。
円安により日本株は「割安銘柄」になっていますし、海外マネーが大量に流入してるんですよ。
もちろん企業業績の底堅さもあって、輸出企業を中心に利益が押し上げられ、また、世界と比べても安定している社会でもあり、政治も経済を見ると良くも悪くもあまり変動なしです。
つまり、「私たちの生活が豊かだから株が上がる」のではなく、「金融政策と需給が株を上げている」のです。
投資家だけが豊かになる時代が進行中
株価の上昇は一見、日本全体に恩恵をもたらすように見えます。でも実際に果実を享受できるのは、株を持っている人です。
もちろん企業業績が良くなって、ここ数年は税収も過去最高ですし、賃金も上昇しているのは事実です。でもそれ以上に海外はもっと経済成長し、日本は鈍化しています。そこへきて円安も相まってインフレです。
株を持たない人は物価高に苦しみ続ける一方で、投資家はその恩恵を受けます。この「投資格差」はこれからますます広がっていきますね。
インフレ局面で現金だけを持っている人は、実質的に資産が目減りしていきます。対して、株や不動産を持っている人は、インフレとともに資産が膨らんでいきます。
結果的に「資産を持つ人」と「持たない人」の差は拡大し、固定化されていくのです。
これは一部の富裕層だけの話ではなく、私たちにとっても、「資産を持つかどうか」が今後の人生を左右する分岐点になります。
株は人生の必修科目です。
なんだか暗い話になってきましたが、厳しい人生を避けるためにできることは、資産形成です。
少額でもいいから、資産を持つ側に回ること。大げさなことでなく、まずは数万円でも株を買ってみる。インデックスファンドを買ってみる。そうした一歩が「投資格差」の拡大から自分の身を守ります。
投資をしてない人から見ると、株高は「一部の人だけの祭り」に見えます。
でも、実際にはその祭りに参加するかどうかは自分で選べるわけで、参加せずに外野から文句ばかり言ってても何も現実は変わりません。
そして、そうした人に限って「格差だ」とか「差別だ」とか言い出すので、こうしたダークサイドに落ちないように気をつけましょう。
もうこれからの時代は、投資をするorしないではなく、「しなければ豊かになれない」です。なぜなら、インフレ時代が始まったからです。
デフレ時代は投資をしなくてもずっと持っていた方がお金が増えました。なぜなら、年々物価は下がるからです。1万円の価値は時間と共に増えたのです。
しかし、インフレ時代は逆です。今も年間3%の物価高ですから、単純計算で3年ー4年で物価は1割増えます。つまり今の1万円は数年後には9,000円に目減りするのです。
もちろんそれ以上に賃金が増えたらいいですが、なかなか増えませんので、投資をしていない=物価高に苦しむ道が待っています。
「実感なき株高」という言葉を見かけますが、半分は正解です。株価は史上最高を更新し続けるのに、生活は一向に楽にならない。「労働より投資のリターンの方が成長が早い」と言ったのはピケティですが、これからさらに格差が広がっていきます。
日本は大して格差がないですが、海外並みに近づいていくでしょう。これからさらに加速していきますからね。不公平に感じるかもしれませんが、抗っても仕方ないです。
その構造の中で「どう立ち回るか」を考えていきましょう。そのために私はこうして情報発信していますし、金融教育に力を入れています。
ここ数ヶ月、新しい企画に集中していまして、やっとリリースできる環境もできてきました。今月中にはリリースできると思いますが、向川流の波乗りトレードを短期間でギュッと学ぶ企画です。
近いうちにニュースレターで告知するので、お楽しみに。ではまた!