【M7決算総括】AI相場の「選別」が始まった!勝者と敗者を波乗り視点で解説

コラム

編集部の黒木です。

今年最後となる決算シーズン、皆さんどう戦いましたか? ついにM7(マグニフィセント・セブン)すべてのカードが出揃いましたね。

結論から言うと、「AIにお金をかければ上がる」という単純なボーナスステージは終わりました。

ここからは、その投資を「誰がしっかり回収できているか(マネタイズ)」という実力の見せ合い(選別フェーズ)に入っています。今回は最新の決算内容を比較しながら、私たちが「どの波に乗るべきか」を整理しておきましょう。

決算ハイライト:明暗が分かれた3つのグループ

ざっくり言うと、今回のM7は以下の3つのグループに分かれました。

  1. 【絶対王者】 異次元の強さ:NVIDIA
  2. 【収益化組】 投資が実を結び始めた:Microsoft, Google, Amazon, Apple
  3. 【独自路線】 我が道を行く:Meta, Tesla

それぞれを見ていきます。

①王者の波は止まらない:NVIDIA (NVDA)

  • 売上高: 570億ドル(前年比+62%)
  • 一株益(EPS): $1.30

「AIバブル崩壊? 何それ?」 と言わんばかりの決算でしたね。

次世代チップ「Blackwell」の需要がとにかく凄まじい。ジェンスン・ファンCEOも「需要はクレイジーだ(off the charts)」と言っていましたが、数字がそれを証明しています。

データセンター売上が512億ドル。「作る端から売れている」 状態です。 この勢いは2026年に向けても強気で考えていいでしょう。

②クラウド3社戦争:抜け出したのはGoogle?

AI収益化の主戦場、クラウド対決が熱いです。

▼ Microsoft (MSFT)

  • 評価:安定
  • Azure成長率は約40%。OpenAIへの巨額投資もしっかり回収フェーズに入っています。「Copilot」が企業の現場に浸透している証拠ですね。

▼ Alphabet / Google (GOOGL)

  • 評価:急伸
  • 今回はここがサプライズでした。クラウド部門が+34%成長。Geminiを組み込んだクラウドが評価され、Azureの背中を猛追しています。売上1,000億ドル突破は伊達ではありません。

▼ Amazon (AMZN)

  • 評価:復活
  • 一時期の減速から完全に立ち直りました(AWS +20%)。何より利益率の改善」が素晴らしく、筋肉質な経営になっています。

    【ここでのポイント】
    3社とも「AIインフラへの投資」は巨額です。ですが、それがしっかりと「売上成長」として跳ね返ってきていることが確認できました。これが確認できたことは、相場全体にとって大きな安心材料です。

③独自路線の2社:MetaとTesla

▼ Meta Platforms (META)

  • 評価:広告は最強、だがコストが重い
  • AIのおかげで広告の精度が上がり、売上は絶好調(+26%)。ただ、来年の設備投資額をさらに引き上げたことを市場は「コスト増」を少し警戒しました。
  • 本業は最強に稼いでいるので、押し目は拾いたい銘柄です。直近で急落中。

▼ Tesla (TSLA)

  • 評価:夢を買うフェーズ
  • EPS $0.50 と予想未達。車の利益率はまだ厳しい。
  • ただ、テスラに関しては「今の車が何台売れたか」よりも、「Robotaxi」や「Optimus(ロボット)」の進捗次第です。ファンダメンタルズより、イーロンのビジョンに賭けるかどうかですね。

まとめ:AIブームはどこまで続く?

今回の決算から見えてくるのは、M7の中での立ち位置です。AIインフラを支配するNVIDIAと、その上で覇権を争うクラウド3社。アップルは独自路線を突き進みます。

今回の決算で、M7の足腰の強さは再確認できたので、目先は重くなっていますが、年末に向かって期待したい相場になると思います。

エヌビディアが巨額の投資をしたり、バフェットがグーグルに投資したり、2026年もAIブームは続くでしょう。ここからさらに進化の速度が進み、これまでに見たことがない新しい製品やデバイスなどが出てくるでしょう。来年も米国もマーケットに期待したいと思います。